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[ 日本語での法廷通訳の中断 ]
全被告と弁護人の多くが日本人である以上、東京裁判の法廷における発言は、
すべてが日本語に通訳されなければなりません。ところが そうではなかったのです。

昭和 21 年 ( 1946 年 ) 5 月 13 日に弁護側が
裁判管轄権を争う動議を裁判所に提出しましたが、その動議を巡る論争の中で
「 原爆投下問題 」 に関する アメリカ人弁護人の発言内容が、突然日本語に通訳されなくなるという事態が起きました。
そこで清瀬一郎弁護団、副団長が発言台に立ち、
法廷でのすべての 発言を日本語に通訳するように求めましたが、その後も依然として英語による論争が続き日本語には通訳されませんでした。

午後の法廷で清瀬副団長が再び発言を求め、日本語による通訳がおこなわれなければ 公平な裁判とはいえない と抗議しました。
ウエッブ裁判長は必要な翻訳は出来るだけ早い機会に提供すると発言しましたが、
提供を約束した、 「 法廷通訳が中断した際の英文速記録 」 を
日本語へ翻訳した書類は、 裁判終了まで遂に提供されませんでした。