ロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏は25日までに、自身が主宰する「汚職との戦い基金」幹部の男性が、
「徴兵」を理由に露連邦保安局(FSB)に身柄を拘束され、北極海の島「ノバヤゼムリャ(新しい大地)」に送られて実質的な拘束下にあると明らかにした。
露政権側は、9月のモスクワ市議会選で与党側の議席減を導いたナワリヌイ氏や周辺への圧力を強めており、ナワリヌイ氏は「政治的な報復だ」と政権側を批判している。

ナワリヌイ氏やインタファクス通信によると、シャベデディノフ氏は健康上の理由で徴兵に行けないことを示す診断書に基づいて10月、徴兵免除を求める訴訟を裁判所に起こした。
しかし訴えは12月23日に棄却。同日にFSBはシャベデディノフ氏の自宅を捜索し、同氏を拘束。同氏はそのままノバヤゼムリャの軍事施設に送られたという。
ノバヤゼムリャは極寒の地として知られるほか、旧ソ連時代から核実験場として使用されてきた。

ナワリヌイ氏は、同地ではシャベデディノフ氏は電話の使用を禁じられるなど実質的な拘束下に置かれているとしている。
ナワリヌイ氏は「正規の手続きを経ていない違法な徴兵で、実質的な政治犯の投獄だ」と政権側を批判。25日にはモスクワで、シャベデディノフ氏の解放を求めるデモが行われた。

ナワリヌイ氏は9月のモスクワ市議会選で、有力な非与党系候補に票を集める「賢い投票」戦術を呼びかけるなどし、与党側候補の議席を減少させた。
政権側は今秋以降、資金洗浄容疑で同基金の関係先の捜索や資産凍結を行うなど、締め付けを強化していた。
https://www.sankei.com/world/news/191226/wor1912260001-n1.html