引きこもりなど家庭内の問題の解決をうたう業者に自宅から無理やり連れ出されて軟禁されたなどとして、関東地方に住む30代女性と母親が業者に約1700万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は26日、業者側に計約500万円の賠償を命じた。飛沢知行裁判長は「行動の自由を害している」などとして業者のやり方に違法があったと認めた。

 訴状によると、一人暮らしだった女性は2015年9月、母親と口論になり、平手でたたいた。悩んだ母親は翌日、引きこもりや家庭内暴力の解決をうたう都内の業者に相談。社会復帰支援のための契約を結び、約570万円を支払った。

 その後、業者のスタッフが女性のマンションを訪れて無理やり連れ出し、首都圏のアパートに住まわせた。女性は職員に正座を強要され、7時間にわたって説教をされたほか、現金や身分証明証などの所持品を取り上げられ、殴られたり、蹴られたりする暴行を受けた。

 女性と母親は「自由を奪い、劣悪な生活環境に置かれ、精神状態を悪化させられた」などと訴えていた。(新屋絵理)

朝日新聞デジタル 2019年12月26日15時38分
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