台風19号 長沼小、授業再開 仮設校舎、あふれる笑顔 /長野
毎日新聞 2020年1月9日 地方版
https://mainichi.jp/articles/20200109/ddl/k20/040/068000c

 台風19号で長野市の千曲川の堤防が決壊して浸水被害を受けた市立長沼小(同市津野)は7日、3学期の始業式に合わせ、応急処置を終えた校舎で授業を再開した。約3カ月ぶりに自校に戻った児童に笑顔があふれた。

 同校などによると、3階建て校舎の1階は床上1・4メートル浸水。昨年11月5日から別の小学校校舎を間借りして授業を再開していたが、昨年末までに被災した校舎の土砂撤去やプレハブの仮設校舎の設置を終えた。1階の職員室や保健室は敷地内の仮設校舎に機能を移転し、2階以上はこれまで通り使用する。


 ただ、体育館やグラウンドは浸水被害を受けたままだ。体育の授業は別の小学校などで行う予定。また、通学の安全確保や居住先が学区外に変わった児童がいるため、今年度中は通学バスや保護者の送迎で登校する。

 北沢克敏校長は「子どもたちは、学校に戻ってきて安心感や古里に戻ってきた思いがある。比較的元気な様子でよかった」と安堵(あんど)した表情で語った。同市穂保の自宅が浸水した3年の塚田幸盟さん(9)は「学校に戻れた感動と3学期が始まる思いで胸がいっぱい。被災したけど、立ち直るための初めの一歩にしたい」と話していた。

 校舎の修理は今秋には終わる予定で、来年3月の完全復旧を目指す。【島袋太輔】