中東地域の緊張が高まる中、安倍総理大臣は、今週末からサウジアラビアなど中東3か国を予定どおり訪問する意向で、地域の緊張緩和と情勢の安定化に向けて、関係国の首脳らに対し、イランとの対話を促すことにしています。

イランによるアメリカ軍へのミサイル攻撃などで緊張が高まる中、安倍総理大臣は、イラン政府が日本側に対し「事態をエスカレートさせるつもりはない」と伝えてきたのに加え、アメリカのトランプ大統領も事態悪化は避けたいという姿勢を明確にしたことなどを踏まえ、今週末から中東3か国を予定どおり訪問する意向です。

今回の中東訪問はアメリカとイランの双方が攻撃を行った直後のタイミングとなり、安倍総理大臣としては地域の緊張緩和と情勢の安定化に向けた外交努力の重要性を訴える意義は大きいとして、関係国の首脳らに対し、イランとの対話を促すことにしています。

ただ中東情勢をめぐって、政府関係者が「イランの司令官殺害前に戻ったに過ぎない」と述べるなど、日本政府はアメリカとイランの関係に根本的な変化はなく、予断は許さないとみています。

このため河野防衛大臣が9日、イランのハタミ国防軍需相と電話で会談したほか、茂木外務大臣も来週、アメリカでポンペイオ国務長官と会談し、今後の対応を協議する意向を示すなど、日本政府は、引き続きアメリカとイラン双方に対し、自制を働きかけていく方針です。

■トヨタ自動車 豊田社長 「日本がリーダーシップを」

アメリカとイランの緊張が続いていることについて、トヨタ自動車の豊田章男社長は千葉市で記者団に対し「平成の30年は自然災害が多かったが、大きな戦争のない30年だったと思う。この令和の時代も戦争のない時を過ごせるよう、日本には、そのためのリーダーシップを世界の中で発揮してほしい」と述べ、緊張緩和に向けて日本政府が果たす役割に期待を示しました。

2020年1月10日 11時33分
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