一方で、日本では発展途上のeスポーツにおいて、スクールビジネスには不安要素もあるという。

「eスポーツの大会に出るには資格は不要で、実力さえあればプロとして活躍できます。これはスクールや専門学校のすべてに言えますが、
『入学しただけ』ではなんにもならず、プロになれるかどうかは本人次第。『コナミの学校に行ってる』という優越感を得るためだけに通うなら、意味がない。
運営側も、プロとして役立つ実学を提供できなければ、過去のスクール同様に衰退していくでしょう」(同)

 eスポーツのプロ選手は平均年齢が25歳とも言われ、選手生命が短いとされている。このようなプロゲーマー事情について、吉田氏はこう指摘する。

「スクールを出たからといって長くできるわけではないし、知識があっても業界関係者としての需要があるかはまだわかりません。
プロゲーマーの『ときど』さんは、実力はもちろん『東大卒』というブランドがあるので、一線を退いても仕事はいくらでもありそうですが、
一般的なプロゲーマーは引退後に業界に残れるかは疑問です」(同)

 日本ではまだ、プロゲーマーやeスポーツが社会的に認知されているとはいいがたい。
こうしたスクールの開設がゲーマーの地位向上などに一役買うという効果もありそうだが、実は最大の障害は日本eスポーツ連合(JeSU)だという。

「eスポーツ利権に食い込もうとさまざまなゲーム関係者が群がっている集団が、JeSUの実態です。
彼らが独自で選定したプロライセンス制度に批判的な選手も多く、そもそも日本のeスポーツ業界が一枚岩になれていない。
eスポーツの体制を再考していく過程で、コナミのスクールなども相乗効果で業界の発展に寄与できればいいのですが……」(同)

 今年の「東京ゲームショウ」で行われたeスポーツ大会において、優勝者がJeSUのプロライセンスの関係で正規の賞金を受け取れなかったことは、ゲームファンの記憶に新しい。
こうした現状がeスポーツの発展を妨げている側面は否めない。

 さまざまな障害を乗り越えて、コナミのスクールはeスポーツ業界に一石を投じることができるのだろうか。

全文はソース元で
2020.01.09
https://biz-journal.jp/2020/01/post_133780.html