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EU=ヨーロッパ連合の幹部が地球温暖化対策を求める若者たちの活動について、疑問を呈したうえでスウェーデンの活動家、グレタ・トゥーンベリさんを引き合いに出し、「グレタ症候群」などとやゆして批判が集まり、謝罪に追い込まれました。




ヨーロッパのメディアによりますと、EUの外交を担当するボレル上級代表は5日、ベルギーの首都ブリュッセルでの会合で、地球温暖化対策を求める若者たちの活動について、「『グレタ症候群』と呼べる」などと発言し、若者たちに影響を与える、スウェーデンの17歳の活動家、グレタさんを引き合いに出してやゆしたということです。

そのうえで、ボレル上級代表は、「若者たちが自分たちの生活水準を下げてもかまわないと、ちゃんと認識しているのかは疑わしい」と指摘し、若者が温暖化対策によるコストを認識せずに活動を行っているとして疑問を呈しました。

この発言がSNS上で拡散すると、「情けない態度で、EUを代表するような人物に値しない。若者を見くびるな」などと多くの批判が集まりました。

これを受けてボレル上級代表は8日、ツイッターに「気候変動と闘う若者の重要な動きに対する私の不適切な言及で不快に感じたかもしれないすべての人に謝りたい」と書き込み、謝罪に追い込まれました。

EUは去年12月に、2050年にEU全体として温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることで一致するなど国際的な温暖化対策をけん引する意欲を示していますが、対策の強化に消極的な加盟国もあり、意見の対立が生まれています。

2020年2月10日 6時15分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200210/k10012279451000.html