大分銀行の後藤富一郎頭取は19日、中国や韓国からのインバウンド(訪日外国人)急減に伴う業績低迷で、取引先の小規模旅行会社が「廃業を決めた」ことを明らかにした。同行は新型コロナウイルスによる肺炎の影響で売り上げが減少する企業の資金繰り支援のため、新たな融資商品の取り扱いを始めた。


旅行会社は従業員4、5人で、主にインバウンドを対象に事業を行っていた。後藤頭取は大分市内で開いた記者会見で、「大分県の観光事業は中韓の恩恵を受けてきた分、マイナスの影響も大きい」と指摘。小売業や製造業でも物流遅延の影響が見られているという。長期化すれば県経済全体が減速に転じるとの見方を示した。

新たに設けたのは総額30億円の「観光応援ファンド」。借入金額は1社あたり3500万円までで、期間は運転資金の場合7年以内。新型肺炎の感染拡大で事業に影響を受けた事業者が対象で、観光産業以外も受け付ける。特別窓口を設置し、経営や資金繰りの相談にも応じる。

2020年2月19日 20:05
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO55836000Z10C20A2LX0000?s=4