新型コロナウイルスの感染拡大を受け、青森県十和田市の北里大学獣医学部は20日、キャンパス内で緊急特別セミナーを開いた。学生や市民ら約300人が参加、動物のコロナウイルスを研究してきた獣医伝染病学研究室・高野友美准教授が、新型ウイルスの特徴や研究成果について講演した。

 高野准教授は、1月に中国で新型ウイルスが初確認された後の1カ月間で感染者が約3万1100人、死者は640人だったとのデータを示し「重症急性呼吸器症候群(SARS)の時と比較すると、新型ウイルスは感染者は10倍、死者は5倍に上る」と説明した。

 現時点で致死率は2〜3%未満とされるが「重症化せず、(発症しない)不顕性の感染者数が判明してくると、致死率はインフルエンザぐらいに下がるのではないか。SARSよりは圧倒的に低い」との見解を示した。1人から感染する人数は平均2人前後という。

 ウイルスの発生源は不明だが、コウモリコロナウイルスの一種と全遺伝子配列が96.2%一致した事実を紹介し「コウモリ→中間宿主(野生動物)→ヒトと感染した可能性が高い」と述べた。ワクチン開発は現状では難しいとした。

 セミナーを監修した宝達勉同大名誉教授(獣医ウイルス学・同感染症学)は「ほとんどの人は新型ウイルスに感染していないので免疫がない。インフルエンザのようにワクチンで抑え込むこともできず、今後、感染が広がる可能性は否定できない」と話した。

2/21(金) 9:04 Web東奥
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