新型コロナウイルスの影響でマスク価格が高騰、それをアマゾンは止めようとしている

新型コロナウイルスの影響が深刻化するなか、マスク不足が社会問題となっている。便乗値上げも相次ぐなか、アマゾンはマスクを高値で販売する出品者の削除などで対抗しようとしている。


いまやマスクは、拡大するエピデミック(局地的な流行)の象徴となっている。世界が新型コロナウイルスの感染拡大を阻止しようとするなか、ソーシャルメディアやニュースサイトには日常生活で感染を予防するためにマスクを着用する人の写真で溢れている。街やショッピングモールは、まるで病院のようだ。

現在、一部の国ではマスク不足が深刻になっており、サプライヤーは時間外労働によって需要に対応しようとしている。アマゾンでは最近になってマスクの価格が急上昇したことから、出品者に対して法外な価格で販売しないよう求めている。そして従わない場合は、サイトから追い出される可能性があると警告した。

アマゾンは『WIRED』US版の取材に対して、同社の価格設定ポリシーに「準拠していない」マスクについて出品者に警告したと回答している。アマゾンの出品者と協働しているあるコンサルタントは、高額で販売されていたマスクの出品がサイトから削除されたと語る。

また、アマゾンの公式セラーのフォーラムでは先週、「新型コロナウイルスと価格つり上げ」のトピックにおいてユーザーの激しい議論が巻き起こった。この件についてアマゾンにコメントを求めたが、回答は得られていない。

アマゾンでのマスクの価格が4〜5倍に

ロイターの2月25日の報道によると、現時点で欧州最大のアウトブレイク(集団感染)が発生しているイタリアの当局が、医療用品の「常軌を逸した」オンライン価格について調査を開始しているという。調査の対象となっているサイト名は公表されていない。

米疾病管理予防センター(CDC)は25日、アウトブレイクはおそらく米国にも拡大するであろうと国民に警告した。CDCは現時点で一般の人にマスクの着用を推奨しておらず、流行の拡大を防ぐには適切な手洗いのほうが重要な場合が多いと、専門家が説明している。

アマゾンで販売されている商品の価格をトラッキングしている企業キーパ(Keepa)のデータによると、アマゾンの「医療用マスク」カテゴリーの売れ筋商品である一般的な青い使い捨てマスク1箱100枚入りは、たった数週間前のほぼ4倍の15ドル(約1,600円)で販売されている[編註:26日夕方の時点では60ドルで販売されている]。

よりフィット性が高く微粒子を捕集するマスクで、空気感染対策に用いられる「N95」規格に対応した製品は、さらに高価である。スリーエム製で独立した出品者が販売する微粒子用マスク1箱20枚入りの価格は、1月末の17ドル(約1,900円)からほぼ4倍の70ドル(約7,700円)になっている。ハネウェル製の微粒子用マスク1箱20枚入りの価格は、12.4ドル(約1,400円)から約5倍の64ドル(約7,000円)になった。

スリーエムとハネウェルの広報担当者によると、これらの商品の定価(希望小売価格)を引き上げたわけではないという。だが、第三者の価格設定を管理することはできないと説明している。

アマゾンが検知して介入するシステム

アマゾンは出品者に対して、適正な価格設定に関するポリシーを遵守するよう義務づけており、「アマゾン内外で提供した最近の価格」と比べて大幅に高い価格を設定することを禁じている。アマゾン出品者を対象とするサポートグループも運営するコンサルタントのエド・ローゼンバーグによると、アマゾンは今月初め、少なくともマスク出品者数名に対して規則違反を告げている。「価格をつり上げる、つまりこれらのマスクに対してあまりにも高い価格を設定すると、出品権限を取り消される場合もあります」とローゼンバーグは言う。


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https://wired.jp/2020/02/26/covid-19-amazon-curb-face-mask-price-gouging/
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