日本の新型コロナウイルスの感染者数が100人を超え、客船「ダイヤモンド・プリンセス」での感染者を除いても、中国・韓国に次ぐ数の感染者が確認されている。
そして、いま懸念されているのは日本国内でウイルスが蔓延し、すでに感染拡大が起こっているのではないかということだ。

日本における新型コロナウイルスの感染状況が、新たな段階に入ったことは明らかだ。

ただ理解しがたいのは、2月23日現在、日本がいまだに中国からの全面的な入国禁止措置をとっていないことである。

台湾では2月上旬から、中国大陸在住の中国人の入国を全面的に禁止している。日本の対策はなぜ台湾と異なるのか。

新型肺炎対策を鈍らせる3つの要因

それには3つの要因が考えられる。1つは、中国からの観光客が日本のインバウンド市場において最大の消費者だということだ。

2020年4月には習近平国家主席の来日が予定され、7月には東京オリンピックを控えている。

この3つこそが安倍政権の「決断」を鈍らせる原因であり、日本の新型肺炎対策の詰めの甘さを招いているのではないだろうか。

日本政府観光局(JNTO)によると、中国からの訪日観光客数は2015年に韓国と台湾を抜いて1位に躍り出た。
その後、中国人観光客数は増加の一途をたどり、2019年には延べ959万人が日本を訪れたという。
これは訪日外国人観光客の30%を占めており、2位の韓国18%、3位の台湾15%を大きく引き離している。

中国からの訪日客は、数の多さだけでなく、消費力もすさまじい。
中国人観光客の日本における旅行消費額は2018年に1.5兆円にのぼった。これは全体の34%を占める数字だ。
言い方を変えると、2014年に安倍首相が打ち出した「観光立国政策」に、中国が大きな貢献をしたということだ。そんな上客を軽くあしらうことなどできるだろうか。

もし中国人を入国禁止にしたならば、日本の観光産業が受ける影響は計り知れない。これが中国人の全面的な入国禁止措置に踏み切れない大きな要因だと考えられる。

また、4月に習近平国家主席の国賓としての来日が予定されている。2月末には最終調整のため、中国の外交担当トップである中国共産党中央政治局委員の楊潔?(よう・けつち)氏も来日することになっている。
安倍政権が中国人を入国禁止にしないのは、習主席の訪日前に両国の友好ムードに水を差したくないからではないか。これは日本のメディアからも指摘されている。

そして、7月に開幕する東京オリンピックである。
東京オリンピックも安倍政権が推し進める観光立国政策の重要な柱だ。
日本政府は、中国人の入国禁止がオリンピックを含めた今後のインバウンド需要にどう影響するかを試算したはずだ。
なお、オリンピックの延期や中止の検討については、2月13日に大会組織委員会の森喜朗会長が「政府と連携し、冷静に対応する」と述べるにとどまった。

中国人依存度の高さが忖度を招く

日本はなぜこうも、中国や中国人観光客に忖度するのか。
シンガポール国立大学東南アジア研究所のルパック・ボラ客員研究員は、香港の『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』上で、日本のインバウンド市場が抱えるリスクについて警告している。それは中国人観光客への依存度の高さだ。

中国からの訪日客は日本に大きな利益をもたらしているが、同時に両刃の剣になりうる。
日中両国の政治的な友好ムードが崩れたら、中国人観光客は中国政府にとって日本に経済的ダメージを与えるための武器となるだろう。


https://toyokeizai.net/articles/-/332702
2020/02/26 7:40

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