高層ビルの老朽化が課題となる中、効率的な点検を進める新たな取り組みです。
人口が集中する都市部で、ドローンを使ってビルの外壁を点検する全国初の実験が東京 中野区で行われました。

実験は、国立研究開発法人建築研究所や民間の建設会社などが東京 中野駅の近くにある地上20階建ての高層ビル「中野サンプラザ」で行いました。
実験ではカメラ付きのドローンを90メートルほどの高さのビルの壁沿いに飛ばして壁の状態を撮影し、亀裂が入っていないかや塗装がはがれていないかなどを画像から判別します。

足場を組み立てて作業員が直接点検するよりも効率的ですが、人口が集中する都市部でドローンを飛ばすと墜落した場合のリスクが大きく、取り組みは進んできませんでした。
このため今回は、ビルの屋上から外壁に沿って「ライン」と呼ばれる釣り糸のようなひもを垂らし、ドローンの機体の一部に通して飛行の逸脱や墜落のリスクを抑えていました。

ドローンによって作業コストや時間を大幅に減らすことが期待できるということで、建設会社などはことし秋ごろの実用化を目指しています。
建築研究所の宮内博之主任研究員は「都市部では高層ビルやマンションが急激に増え、老朽化が大きな課題だ。安全を第一に考えたうえでドローン点検の活用を広めていきたい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200317/k10012335501000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_024
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