新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するためにイタリアが全土のロックダウン(封鎖)に踏み切った当初、通り全体の住民が連帯感を示し、バルコニーから一緒に歌う動画が出回った。

厳しい「ソーシャルディスタンシング(社会的距離の確保)」を敷く欧州初の実験が始まってから1カ月経った今、新たに出てくる動画は友好的なムードが薄れ始めていることを示唆している。

「もうお金がないんだよ!」

3月27日にインターネットに投稿された動画では、イタリア南部の都市バーリの閉鎖された銀行の前で警備に当たる警官に向かって、ある男性がこう怒鳴った。

地元メディアによると、この男性は国の給付手当を受けることができなかったのだという。

「うちに来て、キッチンを見て。完全に空っぽですよ」

男性のパートナーはこう叫んだ。「あなたたちは最低だ。国は最低だ!」

イタリアの日刊紙コリエーレ・デラ・セラが投稿した別の動画では、南部ナポリの男性がスーパーマーケットのレジまで来て、お金を払うことができない。

「この人は食料品を買うお金がなくて、食べられないんだ。ワインやシャンパンを買うわけじゃない。パスタとパンを買ったんだ」

その場に居合わせた人が男性をかばい、店員を相手にこう訴えた。

ロックダウンの社会的、経済的影響が出始めるにつれ、イタリア人は制限措置にいら立ち始めた。

イタリア社会がどれほど耐えられるかは、後に続くように封鎖に踏み切った他の西側民主主義国にとってリトマス試験になるだろう。

社会の緊張が最もはっきり見えるのが比較的貧しいイタリア南部だ。

先週末、一部の顧客が食料品にお金を払わないのではないかとの懸念から、シチリア島パレルモのスーパーに武装警官が配備された。

パレルモのレオルカ・オルランド市長はラ・スタンパ紙のインタビューで、市内で渦巻く怒りは暴力に発展する恐れがあると警鐘を鳴らした。

イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は先週末、地元住民への食料クーポン券配布の財源として4億ユーロを各地の市長に分配すると発表した。

イタリア内務省の公式統計は、大半の国民が規則に従っていることを示している。3月29日の日曜日には、20万3011人が検問で止められ、処罰された人は4942人にとどまった。

このうち142人は虚偽申告で切符を切られ、49人が新型コロナウイルス感染症COVID-19の検査で陽性と判定されながら隔離措置に従わなかった人だった。

その他の欧州諸国では、規則がさらに厳しく執行されている。

オーストリアの内務省によると、警察は1万426件以上の警告書を発行した。内務省は、違反を繰り返す人に厳しい罰則を科すと約束している。

フランスでは、ロックダウンが始まって以来、警察が370万人以上の市民を検査し、22万5000件について違反切符を切った。

終わりが見えないまま、こうした厳しい規則の下で暮らすことに、多くの人が苛立ち始めている。

「孤立して家で過ごす時間が長くなるほど、家が狭くなっていくんです」

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59991?page=3
2020.4.2(木)
Financial Times

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