新型コロナウイルスの感染拡大で米疾病対策センター(CDC)は3日、米市民が外出する際、マスクで顔を覆うよう推奨する新たなガイドラインを発表した。これまでは健康な人にはマスクの着用は勧めてこなかったが、無症状感染者によるウイルスの拡散が分かってきため、感染拡大防止のため、方針を転換した。ただ、品薄になっている医療用マスクは医療従事者向けに確保するため、使わないよう呼びかけている。

 CDCのガイドラインでは、特に地域感染が起きているような場所で、人との距離がとれないような食料品店や薬局などに行く場合、布などで顔を覆うことを勧めている。市販の布製マスクや各自が作ったもののほか、バンダナなどの布で覆うことを想定している。

 マスクの着用は、自身の感染予防の効果は限定的とされており、これまでCDCは「健康な人は、症状のある人を世話する場合でなければ、マスクの着用は必要ない」と強調してきた。しかし、無症状感染者が多く、自覚がないままウイルスを広げている可能性が見えてきた。3日の会見でジェローム・アダムス医務総監は「マスクを着けることで、あなたの周りの人がウイルスをもらわなくなる」と話した。ただ、人との接触を避けることや手洗いなどの補足に過ぎないとしている。

 一方のトランプ氏は「私は着けることはしない。これはあくまで推奨で自発的なものだ」と強調。大統領執務室でマスクを着けて各国首脳と会談する姿は想像できないとした上で、2回の検査で自身は陰性だったとことをあげ、「私は検査もしているし、誰にもウイルスを広げない」と話した。(ワシントン=香取啓介)

2020年4月4日 11時05分
https://www.asahi.com/articles/ASN443J8WN44UHBI00B.html