米動画配信大手ネットフリックスは21日(日本時間22日)、世界の有料加入者数が3月末時点で1億8286万人となり、昨年12月末時点から1577万人(9%)増えたと発表した。市場予想の2倍程度も伸びた。新型コロナウイルスの感染が世界的に広がり、各国で外出の自粛が続く中、自宅で過ごす「巣ごもり需要」が高まり成長が加速。2020年1〜3月期決算は増収増益になった。

 「巣ごもり」している世界の人たちから、ネットフリックスが高い支持を得ている。

 加入者が最も増えたのは欧州、中東、アフリカ地域で696万人増の5873万人。アジア太平洋は360万人増の1984万人。主力の北米は231万人増の6997万人と、全ての地域で増加数が伸びた。

 1〜3月期の売上高も、前年同期比28%増の57億6769万ドル(約6200億円)、純利益が2・1倍の7億906万ドル(約763億5000万円)。ネットフリックスは「多くの国で3月からロックダウン(都市封鎖)が実施され、たくさんの世帯が娯楽のために加入した」と説明した。

 また、米国で外出制限が広がった3月以降、ネットフリックスの株価は上昇傾向。調査会社ファクトセットによると、4月21日時点の時価総額は1904億ドル(約20兆4920億円)。

 売りは、質の高い映画やテレビ番組が定額制で見放題なこと。日本では、月額料金が800円のベーシックプランなど3プランあり、各プランで画質と同時に視聴可能な画面数に違いがある。

 コンテンツも大ヒットアニメ「鬼滅の刃」を始め、国内外の映画、ドラマなどの人気作品をラインアップ。特に人気なのが同社が製作したオリジナル作品。「全裸監督」「深夜食堂」などは、高い評価を受けている。

 20代の男性会社員は「テラスハウスやアニメのメジャー、鬼滅の刃などを視聴してます。ネトフリを活用し、外出自粛生活を楽しみながら過ごしてます」と笑う。

 ただ、今後の新作の配信に関しては不安を抱えている。現在、米西部ハリウッドなどでの作品の製作をほぼ一時停止している。ネットフリックスは、4〜6月期の新作配信への影響は小さいものの再開時期について「誰も分からない」と説明。4〜6月の加入者の伸びは750万人と予想するが「新型コロナの対策が進展し、政府が外出制限を解除すれば、成長は鈍化すると見込んでいる」と分析している。

サンスポ
4/23(木) 5:00
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