邪道な使われ方は出会い系だけではなかった。「コロナウイルスが拡大している中、不要不急の外出をせずに簡単に稼げます」と語るのは、マスクをはじめ品薄な商品を中心に転売を行い、利益を得る“転売ヤー”のA氏だ。

「巣ごもり生活はチャンスでしかない」

「どうぶつの森で出会いを求めてプレイしている人を“出会い厨”と呼ぶのですが、出会いを求める人も居れば、ゲームを使いお金を稼ぐ人もいます。“転売厨”っていうんですかね。でもゲームをしているだけでお金を稼げるなら良いと思っています。
さらに今、コロナウイルスの影響で仕事が減ったりする中、自宅にこもり不要不急の外出をせずに稼ぐのは良いと思いますね。さらに逆に言えば、ゲーム人口は増え購入者が増えている。チャンスでしかないですよ」(A氏)

その手法は、ゲーム内でのアイテムを売ることだと話す。

「僕らはゲーム内のアイテムを売って稼いでいます。ゲーム内の家具や同じ島に住んでくれる住民を売ることもできるのですが、一番効率が良いのはアイテムの1つ『マイル旅行券』を販売することなのです。販売するとき誤差はありますが1枚5円くらいになってしまうのですが、大量に集めて売るのです。

「Twitterで『マイル旅行券を販売します』と拡散すると、意外と欲しいという方がたくさんいます。大体100枚単位で売っているのですが、100枚1000円とかですかね。
あとはTwitterだと詐欺などを心配される方が多いので、メルカリやラクマなどのフリマサイトでも販売しています。まだあまり知られていないですが、売れていますよ」(A氏)

しかしメルカリでは、〈ゲームアカウント等の電子データは、取引後に該当アカウントが利用できなくなる等のトラブルに繋がるおそれがあるため、メルカリでの出品を禁止しています。
違反を確認した場合は取引キャンセル・商品削除・利用制限となる場合があります〉と利用ガイドに記載されている。禁止商品の中に詳細に「ゲーム内通貨やアイテム」と明確に記載もある。ラクマでも同様に禁止されている。

「もちろんメルカリが禁止していることは知っています。ですから運営に見られないように販売する時間を限定しているのです。
深夜の0時から朝の6時限定で出品し、その後、削除したりなど対策を立てています。またTwitterで購入者を募り、そのままメルカリ、ラクマに誘導し、違う名目で出品したものを購入してもらうなどですね。
そうすれば意外とサイト運営側の目は盗める。短時間でバーッと売れますよ」(同前)

「僕は、もうここ2、3週間くらいはSwitchの時間を操作し、ずっとカブ価613ベルをキープしています。
さらに、Twitterで募集するとどんな時間でも僕の島に来たい人が殺到する。外国人とか多いですね。24時間オンライン繋ぎっぱなしで、1日で1000枚以上のマイル旅行券を集めた時もあります。これを溜め込んで一気に売り捌く。
Twitterなどで募りながら、ラクマで販売しています。

最近は値段が少し下がり100枚500円ほどですが、以前は100枚1000円ほどで売れていた時期もありました。
これを朝まで販売すると多いときは4000枚以上も売れる日があります。3、4時間で3万円ほど売り上げたこともある。今まで合計40万円以上は売り上げていると思いますよ。

買い手は様々ですね。Twitterで見ると、ドハマりしているような大学生やOL、たまに高校生も買ってくれていますね。
子供向けのゲームではありますが、アイテムを買うのは大学生以上がほとんどかな」(B氏)

B氏にとっては「割の良いアルバイト感覚」だと話す。

「自分自身、楽しんでプレイしていたのですが、途中から飽きてしまって。今はもうお金を稼ぐというイメージでやっていますね。
特に犯罪をおかしているわけでもないし、需要があるから売っている。携帯ゲームでいう課金ですよ。アイテムを集めるなど面倒な作業を課金でどうにかしたいと考える人が多い。

それでもコロナでバイトも外出もできない今、かなり良い稼ぎだと思いますよ。コロナで仕事やバイトがなくなり、ウーバーイーツのデリバリーバイトをする人が増えている。
僕もそれを考えました。しかし、ウーバーより短時間で数倍稼げるのでこっちの方が割がいいなと思っています」

A氏もB氏も、「規制強化でマスクがネットで転売できなくなりましたが、しばらくはこれで行けますね」と笑顔を見せていた。


https://bunshun.jp/articles/-/37623?page=1
2020/05/04