トランプ政権は、中国政府とつながりのあるハッカーが新型コロナウイルスのワクチン開発を進めている米研究者から情報を盗み出そうとしているとみている

 【ワシントン】米連邦捜査局(FBI)と国土安全保障省(DHS)は、中国政府とつながりのあるハッカーが新型コロナウイルスのワクチン開発を進めている米研究者から情報を盗み出そうとしているとして、警戒呼び掛けを計画している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

 関係者によると、FBIとDHSは、中国政府がハッキングなどの不正な手段を通じて新型コロナのワクチンと治療に関する知的財産と衛生情報を米機関から盗もうとしていると批判する見通し。数日以内にも発表される可能性があるが、最終決定はされていないという。

 警告が現実となれば、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を巡りここ数カ月で急激に関係が悪化している米中の緊張が一段と高まる恐れがある。

 米国などはこれまで、中国が知的財産を盗むためにサイバー攻撃を行っていると非難してきたが、同国はこれを否定してきた。中国大使館にコメントを求めたが、今のところ回答は得られていない。警戒呼び掛けの計画については、米紙ニューヨーク・タイムズが10日に報じていた。

https://jp.wsj.com/articles/SB10236255042937233492704586376970816938908