自民、公明両党は26日の幹事長・国対委員長会談で、国家公務員の定年を引き上げる国家公務員法改正案について、継続審議とする方針を再確認した。22日の衆院厚生労働委員会で、廃案を念頭に見直しの可能性に言及した安倍晋三首相に異議を唱えた格好で、政府・与党は足並みの乱れを露呈した。
【点描・永田町】心に響かない首相の記者会見

 26日の会談後、自民党の森山裕国対委員長は同改正案について、公明党との間で18日に継続審議と確認したことに触れ、「与党として確認した方針が変わっているということは、きょう現在ない」と記者団に説明した。
 同改正案は、一括審議されていた検察庁法改正案が世論の批判を浴び、政府・与党が今国会成立を断念したあおりで、継続審議の方向となった。しかし、自民党の世耕弘成参院幹事長が新型コロナウイルス感染拡大による民間の雇用悪化を踏まえ、見直しを提唱。首相も衆院厚労委で「民間に先駆けて一律に65歳に延ばすのは性急ではないのかという批判もある」と同調した経緯がある。
 しかし、自民党幹部によると、国家公務員法改正案について政府から「廃案にしたい」という話はないという。首相は、法案の扱いに責任を持つ党国対の頭越しに廃案を示唆した形。報道各社の世論調査で内閣支持率が急落したことに「焦りがある」(政府関係者)との指摘もある。
 立憲民主党は支持組織である連合の意向を背景に、同改正案の早期成立を求めており、首相らの発言に反発。27日までに統一見解を示すよう政府・与党に要求している

時事通信 2020年05月26日20時31分
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