休校に伴い普及するインターネットを活用したオンライン学習は、ネットの娯楽利用と比べて小学生の疲労度を高める可能性があるとの調査結果を、群馬大社会情報学部の伊藤賢一教授らの共同研究グループが27日、発表した。高学年より低学年で疲労度が高い傾向があった。子どもの状況を適切に把握し、休憩を入れるなどの対策が必要だと指摘している。

◎常に集中・慣れない操作 利点欠点両方から指導法の検討を
 グループによると、オンライン学習を1日3時間以上している児童(82人)のうち、「疲労度が高い」とされた割合は20%。同程度の時間を娯楽利用している児童(118人)と比べ割合は約3倍となった。視聴に集中しなければならないことや、不慣れな端末操作により疲労がたまりやすいことなどが要因として考えられるという。

 疲労度は学年でも差が見られた。オンライン学習を3時間以上している児童のうち、「疲労度が高い」のは5、6年で19%だったのに対し、1、2年は26%。低学年で割合が大きかった。

 調査は全国の小学生の保護者1300人を対象に1〜7日、インターネットで実施。スマートフォンやパソコン、ゲーム機などへの利用状況や、健康状態を尋ねた。伊藤教授は「オンライン学習はメリットもあるが、指導方法を慎重に考える必要がある」と指摘し、より本格的な調査が求められるとしている。

上野新聞 2020/05/28]
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/215424