https://news.yahoo.co.jp/articles/0c21dd05896a82374a0c703bfe4e5001e3ee8928
 米ミネソタ州ミネアポリスで警官に首を押さえつけられた黒人男性が死亡した事件で、現場近くの防犯カメラの映像を調べたところ、
男性が抵抗したとする警官の主張を裏付ける内容は記録されていないことが分かった。

この事件では、路上に組み伏せられ、警官の膝(ひざ)で首を押さえつけられていたジョージ・フロイドさん(46)が意識を失い、病院に搬送されたが間もなく死亡した。
ミネアポリス警察は今回の事件にかかわった警官4人の免職処分を発表しているが、警官らに対しては刑事罰を求める声が上がっている。

警察は当初の声明で、偽札の使用の通報を受けて捜査していた警官らが車に乗ったフロイドさんを発見し、車から出るよう命じたところ
フロイドさんが「物理的に抵抗した」と説明していた。
ところが近くのレストランの防犯カメラが記録した警官とフロイドさんのやり取りには、フロイドさんが逮捕に抵抗する様子は映っていなかった。
両者が画面に映らない時間が数分あったものの、映像からは警察側の主張が裏付けられなかった形だ。

映像では、警官2人が車に乗ったフロイドさんを含む3人に歩み寄る。
車はレストランの外に止まっており、道を挟んだ向こう側には詐欺事件が起きたと通報のあったコンビニエンスストアがある。
警官らはフロイドさんに手錠をかけたように見えるが、両者の動きは一部が車の陰に入って見ることができない。

一度地面に倒れたように見えるフロイドさんはその後、警官に連れられて歩道を歩かされ、壁を背にして腰を下ろした。
やがて警官の手を借りて立ち上がったフロイドさんは、そのまま警官とともに道の向こうの警察車両へ歩いていく。
フロイドさんは再び倒れたように見えるが、2台目の警察車両が防犯カメラを遮る形となり、その後の様子はわからない。

以上の映像を見る限りでは、フロイドさんが警官と争った事実は確認できない。
警察は声明で、フロイドさんが体調不良に苦しんでいたようだったので救急車を呼んだとしている。

これまでのところミネアポリス警察は、当該の警官らが身につけていたボディーカメラの映像を公開していない。