入院患者や医療従事者ら計133人の新型コロナウイルスへの感染が確認されたなみはやリハビリテーション病院(大阪市生野区)について、厚生労働省のクラスター対策班が調査報告書をまとめた。感染防止対策が不十分だった看護師らが院内感染を広めた可能性もあると指摘している。

 調査報告書は公表していないが、市保健所によると、感染拡大の原因について、消毒などの感染防止策を十分に講じないまま病棟間を行き来していた看護師らが「感染の触媒」となった可能性を指摘。明確な感染源は特定できなかったと結論付けているという。

 医療従事者や患者が食堂や休憩室など「密に過ごす空間」でマスクを付けずに会話していた▽もともとの病気で、新型コロナ感染の把握が遅れた▽介護も行う施設だったため、濃厚接触になりやすい環境だった――といったことも感染拡大につながった可能性があるとしている。

 同病院をめぐっては、市保健所の2度にわたる注意に従わず、感染が確認された看護師2人を出勤させたとして、市保健所が行政指導したことが明らかになっている。市保健所の担当者は「認識不足や知識不足があった」と指摘する。(本多由佳)

朝日新聞 2020/6/6 10:20
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