https://news.yahoo.co.jp/articles/4044d522f6afa085e7ace9e97b3b800ba239e7d3
 米国立保健研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長は6日までに、新型コロナウイルスについて
暑い夏場になっても感染の広がりが阻まれる可能性は少ないとの見方を示した。
ブログ上で述べた。
「新型コロナを制御する上で気候条件は、特定の地域社会で大多数の住民に免疫があり感染への抵抗力を保持している場合に重要な季節要因に成り得る」と分析。
感染症や気候モデルの専門家の知見に基づく所見とした。

その上で、「関連データの入手には明らかに数カ月間が必要」としながらも、
「現在言えるのは多くの研究者は新型肺炎が夏季に静止期を迎えるとの期待感を疑問視している」ことだと主張した。
トランプ米大統領は新型コロナ拡散の初期段階で、夏の熱波は感染を遅らせると共にウイルスを消滅させる可能性があると再三言及していた。

同所長は一部の研究所の実験結果は気温や湿度の上昇は、より暑い季節に拡散が遅滞する一般的な風邪のような
他のコロナウイルスと恐らく似た状態で「新型コロナウイルスの勢力を減じる」可能性を示唆したと指摘。
しかし、新型コロナは別物であるとも強調した。

その上で、科学誌「サイエンス」に掲載された、新型コロナウイルス感染症が今夏にいかに拡散するかのコンピューターによる一連の模擬予測も紹介。
この予測を手がけた米プリンストン大学の環境問題関連研究所のチームは新型肺炎に対する人間の現在の免疫性の欠如は
今年の夏もしくは秋における急速な感染拡大の誘因になる可能性があると警告していた。

所長は、気温上昇がパンデミック(感染症の世界的な流行)の速度を緩慢にし得ることを示唆した以前の研究結果は
より知られた感染症に焦点を当てていた特徴があるとも説明。
コロナウイルスが他の季節性を持つウイルスと同様、気候条件に敏感な特性があると仮定しても、高温の気候は
ウイルスの当初の急速な拡大を遅くさせるのには十分な条件ではないだろうとも分析した。

より不透明なのは気候の季節的な要因が圧倒的な多数の人間の免疫システムがいまだ遭遇していない新型ウイルスの広がりをどう変調させ得るのかだとし、
その見極めが必要とも強調した。