米主要メディアは6日、白人警官による黒人男性暴行死事件を受けた抗議デモを制圧するため、トランプ大統領が米軍兵士1万人の投入を要求していたと報じた。だが国内の治安維持のために軍隊を出動させることにエスパー国防長官らが一斉に反対、実現しなかったという。

トランプ氏は1日、ホワイトハウスの会合で、首都ワシントンや他の都市へ米軍1万人を投入することを求めたが、エスパー氏やミリー統合参謀本部議長らが強く反対。報道によると、ミリー氏は米軍投入は不必要だと訴え、トランプ氏と激しい議論になった。

2人はトランプ氏を満足させるため、全米の州知事らとの電話会談で州兵の動員を強く呼び掛け、拒否すれば米軍兵士を投入すると主張した。

国防総省は1日、米軍兵士1600人を首都近郊に配置した。しかし米軍関係者からも激しい批判が上がり、エスパー氏は3日の記者会見で、デモに対し1807年制定の「反乱法」を適用して米軍を投入するのは支持しないと正式に表明。5日までに、もともと首都近郊の基地フォート・マイヤーに所属する350人を残し、全て撤収するよう命じた。(共同)

[2020年6月7日18時48分] 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/general/news/202006070000491.html