7/8(水) 10:02
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毎日新聞

 公益財団法人「反差別・人権研究所みえ」は7日、三重県内の公立高校の校則についての調査結果を発表した。頭髪のくせ毛や髪色などについて届け出書を提出させる「地毛証明」を3割弱の高校が実施していたほか、女子生徒のスカート丈などに細かい基準を設ける高校もあった。同財団法人は「高校生の人権を侵害しかねない不合理な『ブラック校則』だ」と指摘する。【朝比奈由佳】

 同財団法人は、県教育委員会に情報公開請求し、公立高校67校(全日制、定時制、通信制高校併設校を含む)の校則を分析した。

 調査結果によると、校則を設けていたのは54校。このうち頭髪に関して、15校が「地毛証明」を実施していた。「パーマ、着色、脱色などは禁止する」などと校則に記し、くせ毛や髪の色などについての届け出を求めた。眉毛についても「そってはいけない」などと15校が校則で規定していた。「パーマやドライヤーでの頭髪加工禁止」とする高校もあった。

 一方、服装について男子、女子と分けて規定した高校は計40校。女子生徒のスカートについて、校則で「ヒダの数が24〜28本」と記したり、身長別に3センチ刻みでスカート丈の基準を明記した高校があった。「女子の夜間単独外出はしないこと」と、女子生徒にのみ夜間の外出規定を設けた高校も6校あった。

 松村元樹・同財団法人事務局長は「高校生の自由を制限するような理不尽な校則が数多くあることがわかった。生徒たちの意見を聞きながら、時代に即した校則に見直すべきだ」と訴えた。

 同財団法人は同日、県立高校の校則についての研究会を初めて開催した。今後は県教委などへの政策提言を目指すという。

 ◇反差別・人権研究所みえ指摘 「ブラック校則」の例

・「地毛証明」(生まれつき髪色が茶色であったり、くせ毛であること)を提出させる

・スカート丈の細かな規定

・パーマなど頭髪の加工禁止→生徒を必要以上に縛り付けている

・アルバイトは許可制(経済的に困窮した生徒のみ)→家庭が経済的に困窮していることを周囲に明示している

・女子生徒のみ夜間単独外出を禁じる→必要以上に行動を制限

https://news.yahoo.co.jp/articles/acf56c71a3fa296f5ddc8b9aa79e0391d7412562