地球に接近する軌道を持つ天体「地球近傍小惑星」の中でも、地球より軌道半径が大きい地球横断型小惑星を「アポロ群」という。地球に大きく接近することから潜在的に脅威があるとされるグループだ。

 今年の9月初旬頃、このグループに属す小惑星「2011 ES4」が月よりも近い距離を通過するそうだ。

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■ 9月上旬、小惑星が地球に大接近

 2011 ES4は直径26.7メートル、秒速8.5キロで宇宙をぶっ飛んでいる。

 NASAによれば、そんな代物が9月1日23時49分(日本時間)に地球をフライバイする予定だという。そのときの地球との距離は0.00048AU――すなわち7万1805キロにまで接近する。

 地球と月との距離が38万4400キロなので、どれだけすぐそばを掠めていくか分かるだろう。サイズが小さいため脅威とはみなされていないが、その距離だけなら「潜在的に危険」とNASAがみなすものだ。

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■ 地球の近くに1万個以上もの天体

 地球に接近する軌道を持つことから「地球近傍天体(NEO)」と呼ばれる小惑星・彗星は、2013年の段階で通算1万個を数えている。この数に仰天するだろうか?

 だがNASAによれば、NEOとみなされるのは「”太陽"との距離が1.3AU未満の軌道を持つ小惑星・彗星」なのだという。

 1AUとは地球と太陽との平均距離で、1億4959万7870キロだ――天文学的には近くても、ちっぽけな人間の感覚的にはちっとも近くないので、少しは安心なのではないだろうか。

■ 2055年にも接近予定

 2011 ES4は2011年3月に4日間だけ観測されて以来、今日までその姿が目撃されたことはない。専門家は今回の接近で再び目にできるのではないかと期待しているそうだ。

 また9月の接近によるリスクはないそうだが、2011 ES4は2055年にも再び地球に接近するようだ。このときは7万1000回に1度衝突するリスクがあると推定されている。

 ちなみに2020年、潜在的脅威を持った地球横断型小惑星(アポロ群)は2011 ES4を含めて3つあり、9月10月、11月と3か月連続となっている。

2020年に地球に大接近する小惑星(通過日は変動する可能性あり)
2011 ES4:2020年9月1日
2001 GP2:2020年10月3日
2010 JL88:2020年11月6日

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