難病のALSを患う京都市の女性が殺害されたとされる嘱託殺人事件で、逮捕された医師の1人が事件の半年前に、インターネットの掲示板で安楽死が発覚しない方法を募っていたとみられることが捜査関係者への取材で分かりました。

いずれも医師の大久保愉一容疑者(42)と山本直樹容疑者(43)は去年11月、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病のALSを患う京都市の51歳の女性の依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして嘱託殺人の疑いで逮捕されました。

これまでの警察の調べで、大久保医師は事件が起きる半年前の去年5月、インターネット上に「安楽死研究会」という掲示板を開設し、安楽死が発覚しない方法を募っていたとみられることが、捜査関係者への取材で分かりました。

掲示板では大久保医師のSNSと同じアカウント名の人物が「いたずらに長生きを強いられている現状を現場ベースで打開すべく、知恵と経験を共有したい」としたうえで、「静かに逝かせてあげるちょっとしたコツをシェアできたらと思います」と投稿していました。

また、ほかの投稿者に対し、嘱託殺人や自殺ほう助などの文言を使わないよう呼びかけています。

当時、大久保医師は亡くなった女性とSNSでやり取りを続けていたとみられていて、警察は違法性を認識していた可能性もあるとみて、事件との関連を調べています。

2020年7月27日 4時51分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200727/k10012533891000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_008