新型コロナウイルスの新規感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の26日の集計で、世界で28万7686人だった。1日で30万人超の感染が報告された14日以来の水準となった。インドが過去最多の8万5687人と、世界全体の3割を占めた。大都市圏を中心に前日の増加数から2万8千人以上増え、深刻度は増している。

インドはムンバイやプネといった大都市を抱え、感染者数が同国最多の西部マハラシュトラ州で拡大が止まらないほか、地方での感染が増えている。

都市間や州境を超える移動で義務づけられていた健康診断書が最近、不要になり、国民が移動しやすくなったことで感染を広げている可能性がある。約10日間続くヒンズー教の祭「ガネーシャ祭」が22日から始まり、親族や友人の家庭を行き来する人が増え感染拡大を招いたとの見方もある。

インド政府が検査能力を高めているのも増加の一因といえる。検査ラボの増設で、直近24時間で約92万件の検査を実施した。

26日集計の国別の新規感染では、インドに続く2番目がブラジルで4万7161人、3番目が米国の4万4109人で、この3カ国で世界の6割超を占めた。

中南米ではアルゼンチンとコロンビアの感染者数が急速に増えている。アルゼンチンの26日の新規感染は世界で4番目となる1万550人と、3日連続で過去最高を更新した。厳格な外出規制で当初は比較的感染を抑制したが、経済活動の再開と共に感染が増える悪循環に陥っている。

26日集計の世界全体での死者数は6282人だった。最多は米国の1222人、インドの1115人、ブラジルの1085人が続いた。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO63145660Y0A820C2000000?s=5