中国版もあるのに……中国人が日本でニンテンドースイッチを爆買いしている理由
8/28(金) 11:01
配信


 ニンテンドースイッチが適正価格で買いたいときに買えない状態が続いています。2017年3月に発売されたのでおよそ3年半が経過していますが、まだ街中のゲームショップでは抽選販売を行っています。その背景には転売屋が大量に買い、それらを中国に送っているという事情があると言われています。

 中国市場でニンテンドースイッチは人気で、特に時間とお金に余裕ある大人が買っています。中国の学生に聞いてもあまり買っている人はいないようで、内陸省都の知り合いの中学生にその様子を聞けば、クラスに2、3人所持者がいるくらいだそうです。小学生から高校生まで宿題漬けで遊ぶ余裕がないですからね。

 中国のECサイト「淘宝網(タオバオ)」で検索すると、たしかに多くの店で「日版(日本版)」と商品説明に書かれたニンテンドースイッチ本体を販売していることがわかります。これまた日本では入手困難なフィットネスゲーム「リングフィットアドベンチャー」もタオバオなどで売られています。


(略)


中国版は遊べるソフトが10種類だけ

 なぜテンセント版ニンテンドースイッチが中国人の間で電子ゴミのような扱いとなっているかというと、外国版のニンテンドースイッチ用ソフトが遊べないからなんですね。日本向けのゲームは、2017年から2019年までにパッケージ販売だけでおよそ400タイトルが出ています。今年発売のタイトルと、ダウンロード専用コンテンツを合わせると、さらに莫大な数になります。

 一方の中国版はというと、2019年に「NEWスーパーマリオブラザーズUデラックス」1タイトル、2020年に任天堂のヒットタイトル「スーパーマリオオデッセイ」と「マリオカート8デラックス」に加え、無料ダウンロード版が提供されているなわとびゲーム「ジャンプロープ チャレンジ」のほか、テンセントのゲームなど計8タイトル、2019年分とあわせて全9タイトルが発売されているだけです。そして10タイトル目として「リングフィットアドベンチャー」が発売されます。

 中国版のニンテンドースイッチには「あつ森」でお馴染みの「あつまれどうぶつの森」や「スマブラ」こと「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」、「ポケモン」こと「ポケットモンスター ソード・シールド」すらないんですよ。任天堂がニンテンドースイッチ向けに数十万本、数百万本売れるヒット商品を連発している一方で、中国向けニンテンドースイッチでは発売タイトルにも挙がっていない。そりゃあ外国版のニンテンドースイッチを買いたいという欲が減衰することはなく、中国版を買う人は「国行烈士」と指をさされるわけです。

(略)


 中国のダメゲームハードに比べて日本のゲーム機はまだまだ面白く、今後も日本のゲーム機を中国人が欲しがり続けるでしょう。中国から売れるゲーム機が出れば、ひょっとしたら家電量販店などで見るニンテンドースイッチの抽選販売がなくなり、日本の欲しい家庭に行きわたるんじゃないかと思います。でもそれは期待薄なので、しばらくは所得があがる中国人ニーズを前に抽選販売は続き、「ぐぬぬ」と微妙な気持ちになりそうです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0859c759f3fb62a7b49848c6d3b509b18097f076