事件の現場となった福岡市中央区の大型商業施設「マークイズ福岡ももち」は、週末を迎えて多くの買い物客が訪れており、騒然となった。


 「友達がトイレで刺されたかもしれない。『キャー』という叫び声を聞いた」。商業施設内の店舗に勤める20代男性従業員によると、若い女性がこう言いながら駆け込んで来た。

 男性が周囲を見渡すと、少年が血の付いた刃物を持って歩いていた。男性は警備員を呼びに行きながら、周囲の買い物客に「刃物を持った男が近づいている。この場を離れて」と叫んで回ったという。「男は無表情。足取りはゆっくりだった」と振り返った。

 少年は警備員らに取り押さえられた。現場を目撃した福岡県の40代女性は「男は暴れたりせず、おとなしい様子だった」。別の店舗の60代男性従業員は「男は警察官に連れて行かれた。上着には血痕のようなものが付いていた」と話した。

 事件後、会員制交流サイト(SNS)には、現場を撮影した動画や騒動の様子を伝えるコメントが相次いだ。

 隣接するペイペイドームでは事件当時、プロ野球のソフトバンク戦が開かれていた。大阪市から夫婦で観戦に訪れた50代男性は「(事件を聞き)びっくりした。恐ろしい」と話した。

(小川勝也、鶴善行、長松院ゆりか)

西日本新聞 2020/8/29 6:00
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