鬼女板での拾いもの。

拾い物
貼っておくね

かつて、国鉄が民営化されたとき、私は何も言いませんでした。国鉄労組は「サヨクの巣窟」と思っていたから。
 かつて、土建屋叩きが始まったとき、私は何も言いませんでした。土建屋はバブルで調子に乗っていると思っていたから。
 かつて、農協改革が始まったとき、私は何も言いませんでした。農協は「既得権益」と思っていたから。
 かつて、郵政が民営化されたとき、私は何も言いませんでした。私は郵便局員ではなかったから。
 かつて、公務員が叩かれたとき、私は何も言いませんでした。公務員は税金泥棒だと確信していたから。
 かつて、電力会社が叩かれたとき、私は何も言いませした。あいつらは「電力利権」べったりで甘えていると思っていたから。
 かつて、医師会が叩かれたとき、私は何も言いませんでした。医者は給料が高すぎるとねたんでいたから。
 かつて、ハンコ業界が叩かれたとき、私は何も言いませんでした。ハンコなんて古臭くて、要らないと思っていたから。
 かつて、日本学術会議が批判されたとき、私は何も言いませんでした。ILCを潰した学術会議の連中が大嫌いだったから。
 かつて、中小企業淘汰が始まったとき、少し不安に思いましたが、それでも何も言いませんでした。自分は大企業に勤めていたから。
 そして、ついに私に対する攻撃が始まったとき、私のために声をあげる者は、誰も残っていませんでした。

 もちろん、次は、あなたの番ですよ。