新型コロナウイルスで2度目のロックダウン(都市封鎖)に見舞われた欧州の国々で、貧困の波が静かに押し寄せている。冷え込んだ経済活動が、非正規雇用で働いていた人々の生活を直撃したためだ。政府の経済支援が切れれば、失業者がさらに増える懸念もある。(パリ=疋田多揚、ロンドン=下司佳代子)

 パリ東部の旧市場を改装した公共施設に22日、赤ちゃんの古着やおむつ、粉ミルク、離乳食が並べられた。小さな子どもを抱え、生活が困難になった親向けにボランティア団体が準備した支援だ。

 カリム・ラジディさん(42)は2歳の息子、9カ月の娘の父親。2人のため、1週間分のビスケットや粉ミルク、おむつを受け取った。

 ラジディさんは、契約を交わさない形で、建設現場や食料倉庫の在庫管理などで働き、毎月800ユーロ(約9万8千円)ほどを稼いできた。だが、今月上旬に失職した。2度目のロックダウンが始まった直後だった。

 「何度か街に出て、何か仕事が…(以下有料版で、残り2635文字)

朝日新聞 2020/11/24 5:00
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