世界で経済的に豊かな国と貧しい国の間で、新型コロナウイルスのワクチンの確保などをめぐって格差が生じていることについて、
WHO=世界保健機関のアフリカ地域事務局のモエティ事務局長は、NHKのインタビューで
「日本はワクチンの寄付などを通して他国に影響を与えてほしい」と述べ、日本の行動に期待を示しました。

新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては先進国を中心に確保が進み、接種も始まっていますが、
アフリカなどでは接種が始まる時期のめどすら立たない国も多く、格差が課題になっています。

こうした現状について、サハラ砂漠以南のアフリカの国々を主に担当するWHOアフリカ地域事務局のモエティ事務局長は、
NHKのインタビューに応じ「国際的な連帯の精神に反した極めて残念な状況だ」と批判しました。

そのうえで「豊かな国が製薬会社と交渉を進め、結果的に人口の数倍もの数のワクチンを確保した国もある」と述べ、
格差の背景には一部の経済的に豊かな国による過剰なワクチンの確保があると指摘しました。

また、モエティ事務局長は「豊かな国であっても、貧しい国と交流せずに国を閉ざすようなことは不可能だ」と指摘し、
ワクチン格差を放置したままではウイルスに打ち勝つことができないと強調しました。

そして「日本は多国間の仕組みで重要な役割を果たしている。TICAD=アフリカ開発会議を通してアフリカとも関係が深い。
ワクチンの寄付などを通してほかの豊かな国にも影響を与えてほしい」と述べ、日本の行動に期待を示しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210205/k10012850411000.html