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コロナ禍で増加するアジア系へのヘイトクライム 米NYで抗議集会

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、アメリカでアジア系住民を標的としたヘイトクライム=憎悪犯罪が増えている問題で、ニューヨーク市内では差別に抗議する集会が開かれました。

 「ニューヨーク市内の広場に大勢の人が集まりました。手に持ったプラカードには、『アジア系へのヘイトに立ち向かおう』と書かれています」(記者)

 「自分も襲われるのではないかと心配です。常に後ろを気にしています」(集会に参加した人)

 マンハッタン中心部で開かれた集会にはアジア系住民を中心に数百人が集まり、人種や宗教などへの差別に基づく犯罪=ヘイトクライムを許さないと声を上げました。

 集会に参加した男性は、地下鉄に乗っていたところ、突然、顔を刃物で切りつけられる被害に遭ったといいます。

 「顔を切りつけられた時、助けを求めましたが、誰も来てくれませんでした」(集会に参加した人)

 新型コロナの感染が本格的に拡大した去年3月以降、アジア系を標的としたヘイトクライムは全米で2800件以上報告されました。ニューヨーク市内に限ると、アジア系が標的となり刑事事件として扱われたヘイトクライムは2019年の1年間は3件のみだったのが、去年は29件に急増。日本人が巻き込まれる事件や嫌がらせも度々起きていて、現地の日本総領事館も注意を呼びかけています。

 「電車に乗る時も1人や2人しか乗ってない車両を避けて、何かあっても誰か助けてくれるような車両を選んで乗るようにはしています」(ニューヨーク在住の日本人)

 アジア系へのヘイトクライム増加の背景には、トランプ前大統領が新型コロナを「中国ウイルス」、「カン・フルー」などと呼び続けたことが影響したと指摘されています。

28日 13時27分
TBS