乗客乗員520人が犠牲となった昭和60年の日航ジャンボ機墜落事故で、事故機に搭乗していた副操縦士と乗客の遺族2人が26日、日本航空を相手取り、事故機のボイスレコーダー(操縦室音声記録装置)とフライトレコーダー(飛行記録装置)のデータ開示を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状によると、亡くなった乗客の吉備雅男さんの妻、素子さん(78)は平成30年2月、日航に対し「事故機の飛行状況や乗客が死亡した経緯を知りたい」として同データの開示を請求。日航は同3月、「国際民間航空機関の規定により、データは公的な事故調査機関による調査目的以外には使用できない」として開示を拒否した。

 また、副操縦士だった佐々木祐さんの姉、市原和子(84)さんも昨年3月に開示を請求したが、日航は同5月に「データは遺族の個人情報には該当しない」と回答した。2人はいずれも遺族や相続人として、「自己情報コントロール権」などに基づくデータの開示請求権を有すると主張している。

 26日に東京都内で原告側の代理人弁護士が会見。素子さんが「事故の本当の原因を知りたい。ボイスレコーダーを聞くことが、夫をはじめ520人の供養になる」と訴えるビデオメッセージも流された。

産経新聞

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