山梨県道志村のキャンプ場で令和元年9月に行方不明になった当時小学1年の小倉美咲さん(8)=千葉県成田市=の母、とも子さん(38)が、ツイッター上で中傷を受けたとして、ツイッター社に10件超の投稿者情報の開示を求める訴訟を東京地裁に起こしたことが15日、代理人弁護士への取材などで分かった。提訴は3月29日付。

訴状によると、昨年9月〜今年1月、ツイッターで9つのアカウントから、「私も母親が犯人と思う」「(母親の)逮捕も首を長くして待つことにします」と、とも子さんを犯人視するなど中傷の投稿が計14件あった。中にはとも子さんの投稿に直接返信する形で、美咲さんに関するひわいな内容の投稿を繰り返したものもあったという。

原告側は「幼い美咲に対する凌(りょう)辱(じょく)的な言葉をわざわざ母親に向けて発信する行為を到底許容することができない」とし、美咲さんに対する敬愛追慕の情や、とも子さんの名誉権などが侵害されたと主張している。

開示請求の対象とした投稿には、とも子さんがツイッターでなりすまし行為をしたとするものや、とも子さんが募金詐欺をしているかのような印象を与えるブログ記事に誘導するものも含まれるという。投稿者が特定できれば、損害賠償請求なども検討する。

代理人の小沢一仁弁護士は「陰謀論のような投稿で中傷されている状況を許してはいけない」と強調。とも子さんは取材に「小6の長女も知らない人に話しかけられるなどしており、『何かあってからでは遅い』という思いもあって提訴した」と話した。

とも子さんへの中傷をめぐっては、「殺すぞ」などとメッセージを送った静岡県函南町の男が昨年10月に脅迫罪で有罪判決を受けたほか、同県熱海市の男が名誉毀(き)損(そん)罪で起訴され公判中。

産経ニュース
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