京都新聞(2021年4月27日 11:48)
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 京都府福知山市内の各自治会が設置している消火栓ホース格納箱からノズルとなる筒先が盗まれる被害が今月に入って相次いで判明している。初期消火活動に支障を来す恐れがあり、福知山消防署が注意を呼び掛けている。

 福知山消防署によると、格納箱の中にはホース、筒先、消火栓のハンドルが収められている。火災の際には消火栓にホースをつなぎ、筒先をつけて放水する。同署は「筒先がないと水が遠くに飛ばなくなるなど消火活動に支障が出る」とする。

 11日に同市大江町内の河西地域で9本の被害が確認されたのをはじめ、22日までに同町内を中心に市内で14自治会、計32本の被害が見つかった。格納箱は誰でも消火活動ができるように鍵は掛けられていない。現在では筒先はアルミ製が主流だが、真ちゅう製が盗まれているという。

 同町蓼原自治会でも被害に遭った。副自治会長(70)は「緊急時に必要なため鍵を掛けるわけにもいかず、目立つ場所に置いてある。盗まれた場所は早急に筒先を買って消火活動に影響が出ないようにしたい」と話す。

 同署は防災行政無線と消防メールで市内の自治会長に被害を知らせ、注意喚起した。市内では2012年に23自治会の69本、15年には16自治会の26本が被害に遭っている。

 府警福知山署は窃盗事件として捜査しており、自治会長らに点検の頻度を高めたり、センサーライトを付けたりするなどの対策を呼び掛けている。