新型コロナウイルス感染の拡大をめぐり、大阪府の吉村洋文知事が個人の自由の制限に関する発言をしたのに対し、兵庫県明石市の泉房穂市長が「政治家の責任放棄」などと厳しく批判した。これを受けて吉村知事は27日、「タブー視して議論を終わらせていいのか」と反論した。

吉村知事は緊急事態宣言が出ることが決まった23日、報道陣に「社会危機が生じた時に、個人の自由を大きく制限する場合があると国会の場で決めていくことが重要だ」と話していた。

 これについて泉市長は26日の記者会見で「大阪府知事は有害だ。自分が病床確保をしていないのに、それを国民に転嫁して『私権制限する』とは、まさに政治家の責任放棄だ」と厳しく指摘。さらに「私権制限は基本的にやってはいけないこと。あの人こそ辞めてほしい」などと批判した。

 これに対して吉村知事は27日、「私権制限については、いま議論すべきだ。諸外国では一定程度(私権を制限する)法令が実施されているところは多いが、日本はタブー視されている」と反論。個人の自由の尊重が原則とした上で「病床確保はしていくが、社会の安全を守るために感染急拡大期においては(個人に)我慢を義務としてお願いする。これも必要だという考え方だ」と主張した。

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