【ワシントン=鳳山太成】米疾病対策センター(CDC)は27日、新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した人は、屋外でマスクを着けなくてもよいと定めた指針を発表した。コンサートやスポーツ観戦など混雑した場所を除く。ワクチン接種が進み、感染者が減っているため指針を緩めた。

所定回数のワクチン接種を受けて2週間を経過した人を「接種完了者」と定義する。CDCの指針には強制力はないが、各州・地方政府が決める規制の土台となる。

指針では、接種完了者が屋外で少人数で集まるときにマスクを外しても安全だとした。ワクチン未接種の人がいても構わない。飲食店の屋外もマスク不要とした。屋外で運動したり家族で集まったりするときは、接種の有無に関わらずマスク不要だ。

指針を見直したのは米国内でワクチンの接種が進んでいるためだ。18歳以上の4割弱が接種を終えた。CDCはワクチンの効果に加え、屋外における感染リスクの低さが科学的に明らかになってきたことも指針改定の理由に挙げた。

CDCは、屋外で大人数が集まる混雑した場所ではワクチン接種がさらに進むまでマスクを着けるよう勧めた。他人がワクチンを受けたか分からないためだ。

バイデン大統領は27日の演説で「ワクチンを受ければ多くの活動を安全にできる。今すぐ受けてほしい」と国民に呼びかけた。7月4日の独立記念日までに「日常に近づく」ことを目指す。正常化に向けた新たな工程表を来週示すという。

CDCは3月、ワクチン接種完了者は他人の家に集まるときにマスクを着けなくてもよいとする指針を公表した。レストランなど公共の屋内施設については引き続きマスクの着用を求めている。ワクチンの接種が進むにつれて、コロナ前の生活習慣にどこまで戻せるか、指針を順次見直している。

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