自民党総裁選(17日告示、29日投開票)を巡り、党内7派閥のうち、細田派、麻生派、竹下派、二階派、石原派の5派閥が事実上の自主投票とする方向となった。
大半の派閥が支持候補の一本化を見送る異例の展開となっている。立候補を模索していた石破茂・元幹事長は15日の石破派の総会で不出馬を表明する見通しだ。

これまで総裁選には、岸田文雄・前政調会長、高市早苗・前総務相、河野太郎行政・規制改革相が出馬を表明している。


かつて自民党の派閥は 領袖 を総裁に押し上げるために総裁選を結束して戦った。所属議員は領袖に忠誠を誓う代わりにに「ポストとカネ」の配分を受けてきた。
だが、1990年代の一連の政治改革で、政党交付金制度や、中選挙区制だった衆院選に小選挙区比例代表並立制が導入されたことで、
資金やポストの差配は党執行部に移り、所属議員は派閥からの恩恵が薄れる結果となった。

今回は、直後に衆院選を控えており、選挙基盤の弱い中堅・若手を中心に派閥の意向よりも、
党員や有権者の声を優先する動きが強まっている。

党幹部は「派閥議員を強引に締め付けると、造反が続出し、派閥の崩壊につながりかねない」と語った。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210914-OYT1T50295/