(CNN) スペイン東部の沖合で、アマチュアのフリーダイバー2人が古代ローマ時代の硬貨を大量に発見する出来事があった。
専門家によると、欧州で見つかったローマ時代の金貨としては過去最大規模だという。

ダイバー2人が硬貨を発見したのは8月24日。アリカンテ大学の今月21日の声明によると、
バレンシア州シャビアのポルティチョル島沖合でダイビングをしていたところ、まず硬貨8枚が見つかり、続けて行った複数回のダイビングで45枚が見つかった。

同大の考古学・歴史遺産研究所が硬貨を分析した結果、4世紀末〜5世紀初頭の時期のものであることが判明した。

硬貨は保存状態が非常に良く、銘文が判読可能だったため、研究チームはどのローマ皇帝の治世で発行された硬貨かを特定することに成功した。

硬貨のうち3枚はバレンティニアヌス1世、7枚はバレンティニアヌス2世、15枚はテオドシウス1世、17枚はアルカディウス、10枚はホノリウスの治世のものだった。
時期が不明な硬貨も1枚あった。

アリカンテ大のハイメ・モリナ・ビダル教授(古代史)は23日、CNNの取材に、欧州で見つかったローマ時代の金貨としては過去最大規模だと説明。
「非常に重要」で「大変な価値がある」との見方を示した。

硬貨は地元の裕福な地主が、蛮族から守ろうとして隠した可能性が高い。ローマ帝国西部では当時、蛮族による侵入と略奪が起きていた。

声明によると、アラン族やスエビ族、バンダル族が西ローマ帝国末期にこの地方を侵略し、イベリア半島におけるローマ人の政権は409年に終わりを迎えた。

ビダル氏によると、硬貨を隠した人は回収前に死亡した可能性が高いといい、その結果、硬貨は約1500年にわたって未発見のままになっていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/999a342aea1bb6d30875c424fb63f0fcfd446dd3