時事通信社 10/1(金) 11:25

 横浜市の大口病院(現横浜はじめ病院)で2016年、入院していた70〜80代の患者3人の点滴に消毒液を入れ殺害したとして、殺人罪などに問われた元看護師久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判の初公判が1日、横浜地裁(家令和典裁判長)であった。

 久保木被告は「すべて間違いありません」と述べ、起訴内容の事実関係を認めた。弁護人は刑事責任能力を争う方針を示した。

 久保木被告は捜査段階で3人の殺害を認め、「自分の勤務時に容体が急変したり死亡したりした場合、家族に納得してもらえるか不安だった」などと動機を供述していた。横浜地検は被告を鑑定留置して事件当時の精神状態を調べ、責任能力を問えると判断した。

 検察側は公判で、投与前にナースステーションで保管されていた点滴袋に消毒液を混入するなど、計画的に3人を殺害している点などを指摘し、完全責任能力があったと主張する方針。

 弁護側は、統合失調症の影響で事件当時、被告は心神耗弱状態だったと主張。3人のうち男性患者2人は症状が重く寝たきりだったことなども挙げ、刑の減軽を求めるとみられる。

 公判では、精神鑑定に当たった医師らの証人尋問が予定されている。22日に論告求刑と最終弁論があり、判決は11月9日の予定。

https://news.yahoo.co.jp/articles/12b9421d392a23c1f9d4768532f2ba61bdca9e63
殺人容疑での逮捕後、送検される元看護師久保木愛弓被告=2018年8月、横浜市中区
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