見渡す限り灰色に染まった異様な光景。沖縄の美しい海が一変しました。遠く離れた小笠原諸島の噴火が原因とみられるこの現象について、専門家はあと1、2年は続くのではないかと分析しています。

 ビーチに広がる砂浜ではありません。軽石で覆い尽くされてしまった沖縄県国頭村の海です。

 普段の海を見てみると青い海が広がっていて、景色が一変してしまったのが分かります。

 この状況に子どもたちは…。

 子ども:「(Q.これどうするの?)おばあちゃんにあげる」

 現在、この軽石は沖縄県内の各地で漂着が確認されていて、漁業や観光業などへの影響が懸念されています。

 漁師:「深いですよもう、15センチ以上かな。指先にようやく水面が付く感じ。自分はマグロ漁ですが、船も出せない。仕事できませんね」

 海上保安部の巡視艇にも影響が出ました。23日夜、沖縄本島の南の海上で巡視艇「しまぐも」が「軽石を吸い込んで航行不能」に陥りました。

 しまぐもは救助に向かった巡視船によって曳航(えいこう)され、24日午後に中城新港に到着しました。乗組員9人にけがはありませんでした。

 この軽石の原因とみられるのは8月に噴火した小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」です。

 この噴火は国内で戦後最大級の規模だったことが産業技術総合研究所の分析で分かりました。

 およそ2カ月かけて沖縄本島などに大量に漂着した軽石。一体、いつまで続くのでしょうか。

 琉球大学・加藤祐三名誉教授:「一気に流れ着くわけではなく、現在、太平洋を漂流中。それが沖縄に向かって奄美にも向かっている。流れているから今後、漂着する軽石は増えていくだろう」

 と語るのは海底火山を研究している琉球大学の加藤名誉教授。

 自然の前では、人は無力なのでしょうか。

 琉球大学・加藤祐三名誉教授:「人間が撤去するのはやれないと思う。自然現象として1年から2年してきれいになると思う」

テレ朝ニュース  [2021/10/24 18:43]
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000232892.html