東京パラリンピックの開会日に航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が3色のカラースモークを不適正に噴射した問題で、空自は19日、入間基地(埼玉県)周辺でカラースモークの染料の粒子が付着したと確認できた車両については、所有者に損害を賠償する考えを明らかにした。染料の粒子が付着した可能性が「極めて高い」と判断した。対象の台数や金額は精査するとしている。

 空自によると、何らかの粒子(最大0・5ミリ程度)が車両に付着したとの問い合わせは少なくとも約1100台分に及ぶ。このうち一部の粒子の成分を分析したところ、いずれも微量で、スモークの染料と断定できなかった。ただ、飛行ルートやスモークの拡散予測などから、スモークの染料である可能性が極めて高いと判断した。それぞれの車両について、粒子の付着状況を個別に精査していく。


「カラースモークを使い切りたかった」
 不適正な噴射を行ったのは、都心で編隊を組む6機のトラブルに備えて飛んでいた予備機3機。8月24日午後に入間基地で着陸する前、高度300メートル以上とされる使用基準を下回る位置でカラースモークを噴射した。粒子は水や洗剤で落とせず、元に戻すには再塗装が必要だという。隊員たちは「カラースモークを使い切りたかった」「住民を喜ばせたかった」と説明しており、空自は関係者の処分を検討する。

 問い合わせは平日午前9時〜午後5時、防衛省。【松浦吉剛】


毎日新聞 2021/11/19 20:37
https://mainichi.jp/articles/20211119/k00/00m/040/368000c