共通テスト受験不可でも合否判定 コロナ拡大による緊急措置、大学側に困惑広がる

 末松信介文部科学相が示したオミクロン株の感染拡大を受けた緊急措置方針は、国公立大に限らず、共通テストを入試に活用する多くの私大も含め大きな波紋を広げている。
 国公立大学の場合、共通テストの成績をもとに2次試験の受験者を絞り込む2段階選抜を実施する大学もある。個別入試での合否判定は共通テスト受験者とどう区別するのかという問題が生じる。
 今後の対応について、一橋大学は「現時点では文科相の記者会見以上の情報がなく、これから内容を精査する」との姿勢を示した。前年度に約2万8000人が共通テストを利用した入試を受験した明治大学も「文科省の通知を受けた上で検討する」との段階だ。
 東京都内の私立高校の男性教員は「受験機会が確保されるのはありがたいが、共通テスト受験を前提に勉強してきた生徒が不利にならないよう配慮してほしい」と求めた。
 共通テストは本試験が、16日、追試験が29、30日に迫る。ぎりぎりのタイミングでの方針決定に、末松氏は会見で「一人でも多くの受験生の受験機会を確保するという思いだ」と述べ、理解を求めている。(小松田健一)

東京新聞 2022年1月11日 19時20分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/153634