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 いずれにせよ、母親の手にかかって男児の命が失われた現実は変わらない。それも幼い妹の目の前で――。

「母親には精神疾患の『双極性障害』があった。精神障害者手帳を持ち、等級は日常生活に著しい制限が必要な2級。心中しようとした動機面の供述にも混乱がみられ、刑事責任能力の有無を慎重に調べることになる」(前出・捜査関係者)

 年が明け、男児が落命した路面の片隅には、一束の花と菓子が供えられていた。だが、ほとんどの通行人は、ここで起きた悲劇に気づくことなく通り過ぎていく。

 やがてホームレスらしき男性が現れ、現場の供え物を物色すると、手を合わせもせず、菓子を持って雑踏に消えていった。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年1月13日号

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