「連続増配株」とは、読んで字のごとく「増配を続けている銘柄」のこと……
という説明だけでは、それほど難しそうではないが、実は長期間にわたって「増配を続ける」のは簡単なことではない。

というのも、そもそも「配当」は企業が得た“利益”を株主に分配する仕組みで、
利益が出ていなかったり、利益をきちんと蓄えていなかったりして「分配可能額」がなければ「配当」を出すことはできないからだ。

しかも、分配可能額を超えて配当を出すことは「違法配当」となり、「会社法」では罰則規定が設けられている。

つまり、長期間にわたって「増配を続けている」企業は、それだけ長期的に業績を伸ばしていたり、
一時的に業績が落ちても配当を出せるようにしっかりと利益を蓄積できていたりする「優良企業」と判断することができるのだ。

しかも、「配当が増える」だけでなく、それに伴って「株価も上がる」傾向があるので、「増配株」は実に魅力的な投資先なのだ。

今回は、そんな魅力的な「連続増配株」の連続増配期間を調査して、「連続増配期間が長い株ランキング」を作成。
ベスト20にランクインした銘柄の増配期間や配当利回りのほか、配当金額の推移、増配を始めた時期からの「増配率」などを詳しく紹介していく
(※なお、配当利回りや最低投資額などのデータは2022年4月1日の終値で算出)。

「増配株」選びで重要なのは、連続増配期間や配当期間だけでなく、増配率や配当性向なども判断材料に加えること。
なぜなら、連続増配期間が長くても増配率が極端に低いと、配当額が大きく増えることは期待できないし、
現時点で配当性向が高い水準にある場合、今後は配当性向を上げて増配することは難しいうえに、
業績が悪化した際には連続増配がストップしたり、一転して減配されたりするリスクも高まってくるからだ。

この記事では、増配率や配当性向などの数値も掲載しているので、ぜひ「連続増配株」を選ぶ参考にしてほしい。
それでは早速「連続増配期間が長い株ランキング」を見ていこう!


上記のように「連続増配期間が長い銘柄ランキング」のベスト20には、17年〜32年にわたって連続増配している銘柄がランクインすることになった
ここからはベスト20にランクインした銘柄を、1銘柄ずつ詳しく見ていこう。

花王は、一般消費者向けの化粧品や洗顔・全身洗浄剤、衣類用洗剤、おむつなどのほか、
産業用の油脂製品や界面活性剤などの機能性材料製品を国内・海外で製造・販売する会社。

1991年3月期に増配を開始して以来、実に32年(厳密には32期)連続で増配を続けており、この32年間に年間配当額は20.2倍に成長した。
特に2014年12月期からの年間配当額の伸びが顕著で、2020年12月期までの6年で2倍になっている。

直近3年の増配率は1.20倍で、年平均6.2%の増配をしている計算になる。

2022年12月期の年間配当額は前期比「4円」の増配となる「148円」の予想で、「33期連続増配」を達成する見込みだ。
https://diamond.jp/articles/-/229803

1位:花王(東1・4452)32年連続増配
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