※2022/04/29 13:55

 【ワシントン=冨山優介、蒔田一彦】ロシアによるウクライナ侵攻では、米民間企業の人工衛星がロシア軍の動きを細かく捉え、注目を集めている。観測データは、戦争犯罪疑惑の追及でも役割を果たしている。

「集団墓地」分析
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は21日、ウクライナ南東部マリウポリ郊外を3月から4月上旬に撮影した4枚の衛星画像を掲載した。画像では日ごとに直線的に並んだ穴が増える様子が分かる。記事は、約300に達した穴が「集団墓地とみられる」と分析し、世界で反響を呼んだ。

撮影したのは米宇宙企業マクサー・テクノロジーズの衛星だ。マクサー社は自社の衛星で撮影した高解像度の画像を、各国政府や報道機関などに販売し、一部は無償提供している。取材に応じた同社幹部のスティーブ・ウッド氏は「報道機関への画像提供は偽情報拡散への対抗に役立つ。侵攻とそれに伴う人道的危機を記録するために画像の共有を続ける」と話す。

 国連によると、1957年以降、衛星などの人工物は世界で計1万2000基以上が打ち上げられ、近年は年間1000基を超えるペースで増えている。その多くが民間企業の衛星だ。

 電子部品の高性能化や小型化に伴い、衛星も小さく、安価で製造することが可能になった。カメラの性能も向上し、民間衛星でも地表の数十センチ大の物を見分けられる精度だ。

「客観的見方 提供」

続きは↓
読売新聞オンライン: 民間衛星がロシア軍の動き「丸裸」に…偽情報拡散に対抗、戦争犯罪疑惑の捜査にも.
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220429-OYT1T50049/