■威力業務妨害罪の構成要件


威力業務妨害罪が成立するのは、次の2つの要件を満たす場合です。

・威力を用いたこと
・他人の業務を妨害すること

大声で怒鳴る、過剰に暴れる、危害を加える内容で脅すといった行為のほか、強い勢いで何度もクレームを繰り返すといった行為も、威力業務妨害罪における「威力」に該当しえます。
なお、「他人の業務を妨害する」という点では、偽計業務妨害罪と同様に、威力業務妨害罪でも、実際に業務妨害の「結果」は生じなくても業務を妨害する「危険」を生じさせたなら成立するおそれがあるのです。

威力業務妨害罪が成立しうる行為の具体例としては、下記のようなものがあります。

・組合への加入やストライキの参加を要求し、これに応じなかった相手の前に大勢で立ちふさがってトラックの出発を妨害した

以前は爆破や殺人などの犯罪予告が検挙される事例が主流でしたが、近年では動画撮影などの目的でいたずらや脅迫・強要まがいの行為に走り、刑事事件化する事例も目立つようになりました。
たとえ軽い動機だったとしても、実際に業務妨害の事実や危険が生じていれば威力業務妨害罪が成立して厳しく罰せられるため注意が必要です。

https://kyoto.vbest.jp/columns/criminal/g_violence/5949/