新型コロナの後遺症の症状は60超にのぼることが確認された(11日、ニューヨーク市内)
【ニューヨーク=山内菜穂子】新型コロナウイルスにかかり重症化しなかった人の後遺症について、薄毛など60を超える症状があることがわかった。英バーミンガム大の研究者らが分析をまとめた。新型コロナの後遺症に多様な症状があることを把握することが医療ケアの改善につながると指摘している。

論文は25日、米科学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に掲載された。調査対象は、英国で2020年1月から21年4月までに新型コロナに感染し、入院しなかった49万人。感染から12週間後の症状を調査し、コロナにかかったことがない194万人と比較した。

コロナの後遺症として倦怠(けんたい)感や息切れ、頭痛など62の症状を確認した。コロナに感染したことがない人に比べて、嗅覚障害や薄毛、くしゃみ、性機能の低下、性欲の減退、息切れなどの割合が特に高かったと分析している。

男性に比べて女性のほうが後遺症に悩む傾向があることもわかった。このほか喫煙者や持病がある人、経済的に困窮する人なども割合が高かった。分析したバーミンガム大のシャミル・ハルーン准教授(公衆衛生学)は「コロナに関する医療ケアの改善には、長期にわたる多様な症状の把握が欠かせない」と指摘している。

ソース日本経済新聞 コロナ後遺症、薄毛など60超の症状を確認 英研究
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN27DRI0X20C22A7000000/