英国ではエリザベス女王の死去とチャールズ3世国王の即位に伴って、国歌の歌詞や紙幣、硬貨のデザインなど、さまざまなものが変わる。

 英国の各メディアによると、一番わかりやすい例が、国歌「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」だ。歌詞の「クイーン」が「キング」に書き換えられる。ただ、国民が数世代にわたり慣れ親しんできた歌であるだけに、「人々が新しいバージョンを堂々と歌えるようになるまでには時間がかかりそうだ」(ガーディアン紙)との見方がある。

 紙幣、硬貨も変わる。現在、英国内では、エリザベス女王の肖像が描かれた銀行券約45億枚が流通しており、総額は800億ポンドに上る。英政府はこれをチャールズ3世国王の肖像画を描いた銀行券に置き換える予定だが、最低2年間の期間が必要とみられている。英中央銀行は「女王の肖像が描かれた現行の紙幣は引き続き法定通貨である」とする声明を発表した。硬貨については、これまで王位継承によって一気に変更されたことはなく、時間をかけて置き換えられることになりそうだ。


 このほか警察署や海軍などで使用されているエリザベス女王の肖像が描かれた旗や、国会議員の宣誓の文言なども変更される見通しだ。

 またエリザベス女王は旧植民地諸国を中心とした連合体・英連邦(コモンウェルス)の元首でもあった。エリザベス女王の地位が憲法で定められている国では憲法の変更が必要となる。【ロンドン宮川裕章】

毎日新聞 2022/9/10 17:42(最終更新 9/10 18:43)
https://mainichi.jp/articles/20220910/k00/00m/030/144000c